
暮らしと健康の月刊誌「ケア」2006年第1号に掲載されました。
職場の健診で血尿が見つかり、精密検査を受けるよう指摘されました。
血尿から疑われる病気について教えてください。(四〇代・男性)
血尿は尿がつくられて排泄されるまでの経路のどこかに何らかの異常が発生しているために起きるものです。健康な人でも激しい運動の後や極度の疲労から血尿が出る場合もありますが、腎機能障害や結石、腫瘍など、重大な疾患が隠れている場合があります。
血尿の原因となる部位により、疑われる疾患は異なりますが、腎臓に原因がある場合には腎炎や腎がん、腎結石、腎盂がん、腎外傷などの疾患があります。腎臓には老廃物や余計な水分、塩分などをろ過する糸球体というものがあり、これの働きが低下するとろ過されるはずの血液が漏れてきます。この働きに原因がある場合は、糸球体腎炎やネフローゼが疑われます。
尿管に原因がある場合は尿管がん、尿管結石、尿管狭窄などが疑われ、膀胱に原因があるものは膀胱がん、膀胱結石、膀胱炎、膀胱破裂などがあります。尿道に原因がある場合には、前立腺がんや前立腺肥大、尿道出血、尿道狭窄があります。このほかウイルスや薬剤、放射線などが影響して血尿が出る場合もありますが、何れにしても健診で血尿が発見されたのは、そうした病気の早期発見と早期治療のチャンスですから、健診機関の指摘通り、精密検査を受けることが必要です。
血尿を指摘されていながら自覚症状が全く無いために放っておき、ある時、目で見ても尿に血が混じっていると慌てて受診してくる人もいます。症状の無い血尿には特に気をつけることです。受診を遅らせているうちに、がんが進行してしまうことにもなりかねませんから、とにかく早期に、泌尿器科で精密検査を受けるようにしてください。目で見てわかる血尿の場合は必ず受診し、また、普段から自身の尿の色や変化などにも気を配り、いつもと違うと感じたら、気軽に泌尿器科を受診して、疾患の早期発見に結びつけるようにしてください。
