札幌市西区西町北5丁目1-5 中田泌尿器科病院
暮らしと健康の月刊誌「ケア」2006年第10号に掲載されました。
暮らしと健康の月刊誌「ケア」2006年第10号に掲載されました。
性行為や長時間のトイレの我慢がきっかけになる
膀胱炎は膀胱の粘膜に炎症が起こる病気で、尿道からの細菌感染が原因。その多くは大腸菌によるものだという。症状としては、排尿の終りのなんともいえない嫌な痛み(終末時痛)、トイレに行ってもいつも尿の残った感じ(残尿管)、何度もトイレに行きたくなってしまう(頻尿)ことがあげられ、三大症状といわれている。

「この三つの症状が現れるようであれば急性膀胱炎の可能性があります。女性の場合、尿道が三から四cmと短く、肛門や膣が尿道から近いため、細菌が膀胱の中に侵入しやすく、とくに女性に起こりやすい病気です。以前は薬局でも抗菌剤を入手することができましたが、現在は販売されていないので、症状が続くようでしたら、通院することをお勧めします。」(中田院長)

急性膀胱炎は性生活の盛んな二十代から三十代の女性に多くみられるが、身体の構造上、各年代でも発症する可能性がある。閉経後に膀胱炎を繰り返す場合もあるという。
急性膀胱炎の誘因としては、性行為の他、長時間トイレを我慢したり、過労による抵抗力の低下、ストレスなどもあげられる。

尿は血液の上澄み(血球成分を除いたもの)ですから栄養分が多く、細菌の繁殖には最適な場所といえます。従って、膀胱内に細菌が入った状態でトイレを我慢すると、細菌がネズミ算式に増殖し、膀胱炎になってしまうのです。流れない水は濁るといいますが、それと同じ理屈です。キャビンアテンダントやデパートの店員さんなどの接客業で、なかなかトイレに行けない職業の方はとくに注意が必要です。
女性の急性膀胱炎
女性は男性に比べ尿道が短く、肛門や膣が尿道に近い
治療は大腸菌に有効な抗菌薬を3、4日内服
膀胱炎の検査は尿検査だけで容易に調べることができる。通常、導尿をする必要もないので心配はいらない。

治療としては、大腸菌に有効とされる抗菌薬を三、四日から一週間程度内服する。体を暖かくし、水分を多めにとれば薬の効果は倍増し、通常は一週間以内に症状が改善する。症状改善後はもう一度受診し、尿検査で完治したかどうかを確認する。尿検査が正常になってから、さらに三から四日、薬を飲むと再発防止にも役立つという。

また、急性膀胱炎のような強い症状ではないが、下腹部が何となく気持ち悪い、ときどき尿が近くなりトイレに行ってもすっきりしない、寒いときや疲れたときに症状が出るが自然によくなる、といった場合は慢性の膀胱炎や尿道炎などの疑いがある。その場合は内視鏡検査や膀胱内圧測定、尿流量測定、残尿測定、腎臓のレントゲン検査などを行って診断することになる。

とくに若いとき、トイレを我慢した人、お産が多かったり、産婦人科の手術を受けたことのある四十歳から五十歳代の女性は注意が必要です。
なるべく水分を多めにとり、トイレを我慢しないこと
膀胱炎にならないようにするために、日常生活で心がけたいのは水分を多めにとることと、なるべくトイレに行くこと。

女性の場合、外陰部の構造に加えて、生理、セックス、妊娠、出産が重なるわけですから、膀胱炎は宿命ともいえます。ですから、食後にお茶やお水を二、三杯飲む、汗をかいたら水分を多めにとる、日中三時間くらいでトイレに行くという普通の習慣がもっとも大切なのです。また、セックスの後、十分以内にトイレに行くことも膀胱炎を予防するうえで有効だといえるでしょう。セックス時に尿道や膣入口の細菌が膀胱内に押し込まれてしまうわけですが、排尿で大部分の細菌は洗い出されます。従ってトイレを我慢せずにどんどん尿を出してしまえば、細菌は増殖しないのです。また、膀胱の上皮細胞は細菌をつかまえたり、免疫酵素を出して細菌に抵抗したり、白血球を集めて細菌をやっつけるといった働きがありますが、トイレを我慢すると膀胱は拡張、充血してこの抵抗力がよわまってしまいます。トイレに行くことはその意味でも重要なのです。急性膀胱炎は早めに対処すれば決して怖い病気ではありません。症状が出たと思ったら、できるだけ早めに受診することです。

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