
中田康信院長 |
腎臓から尿道までの尿の通り道に石ができる病気を尿路結石症という。男性に多く、石の部位によっては耐え難いほどの激しい痛みを伴うことがあるのが特徴。一度できると再発しやすいともいわれており、症状や治療法、予防法などについて、中田泌尿器科病院(西区)の中田康信院長に聞いた。
尿路結石症は石のある部位によって、腎臓結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石などに分類される。なぜ石が形成されるのか、いまだに不明な点が多いとされているが、日本人の食生活の変化がひとつの重要な要因だと中田院長は指摘する。
「日本人が生涯のいずれかの時期に結石を患う比率は、すでに100人に4人ともいわれています。この傾向は日本人の食生活の欧米化と共に増加しており、ことに、脂質の摂取が戦後の約1.6倍になった近年は、結石を患う比率も1.5倍になっています。男女比でみた場合は、2対1の割合で男性に多く、20代から50代の青壮年層を中心に分布しています」(中田院長)。
結石は約8割がシュウ酸カルシウムでできており、そのほかには尿酸やシスチンなどさまざまな物質でできている。これらの成分が何らかの原因で結晶化し、石のように固まってしまうことで結石が形成されることになる。
このほか、スツルバイト結石は、マグネシウム、アンモニウム、リン酸などが混合物で、腎盂炎や膀胱炎のような感染がある際に尿中で形成されることがある。
結石の大きさは肉眼では見えないものから、大きければ数pのものまでさまざま。サンゴ状結石と呼ばれるタイプの場合は10p近くまで成長し、腎盂全体をふさいでしまうこともあるという。
「日本人が生涯のいずれかの時期に結石を患う比率は、すでに100人に4人ともいわれています。この傾向は日本人の食生活の欧米化と共に増加しており、ことに、脂質の摂取が戦後の約1.6倍になった近年は、結石を患う比率も1.5倍になっています。男女比でみた場合は、2対1の割合で男性に多く、20代から50代の青壮年層を中心に分布しています」(中田院長)。
結石は約8割がシュウ酸カルシウムでできており、そのほかには尿酸やシスチンなどさまざまな物質でできている。これらの成分が何らかの原因で結晶化し、石のように固まってしまうことで結石が形成されることになる。
このほか、スツルバイト結石は、マグネシウム、アンモニウム、リン酸などが混合物で、腎盂炎や膀胱炎のような感染がある際に尿中で形成されることがある。
結石の大きさは肉眼では見えないものから、大きければ数pのものまでさまざま。サンゴ状結石と呼ばれるタイプの場合は10p近くまで成長し、腎盂全体をふさいでしまうこともあるという。

「とくに結石が下腹部や側腹部にある場合は急激に鋭い痛みを感じます。結石が大きすぎて簡単に尿管を通らない場合は激痛が続くことがあります。また、結石が膀胱に近づくと頻繁に尿意を感じたり、排尿時に激しい痛みを感じることもあるでしょう。胆石の場合はうずくまるような痛みだといいますが、尿路結石は大の大人がじっとしていられない程で、相当の痛みを感じるのが特徴といえます」。
その一方で、石の部位によっては痛みを感じない場合もある。結石が腎臓の中の腎杯や腎盂にある場合(腎臓結石)がそうで、ほとんど痛みを感じない代わりに、血尿等が出て発見されることもあるという。症状があまりないからといって結石を放置しておくと、腎臓が腫れ水腎症を起こして、腎機能低下や細菌感染、排尿困難などの合併症を起こすことがあるので要注意。なお、腎臓は背中側に近いため、水腎症を起こすと背部が痛くなることもある。
また、結石が膀胱にある場合も自覚症状はあまりないが、膀胱を刺激するような症状や膀胱炎の症状が出ることがあるという。

尿路結石の治療は結石のある場所や大きさ、症状などから総合的に判断していくことになる。基本的には結石を排石することが目的なので、症状も軽く、出やすい結石であれば、利尿剤や尿管を拡張する内服薬、痛み止めなどで様子をみながら自然排石を待つというケースも少なくない。
それ以外の疼痛が強かったり、頻回に痛みが起きるような場合、同病院では体外衝撃波腎尿管結石破砕術(ESWL)や経尿道的尿管は砕石術(TUL)という治療法を選択している。
前者は、体外で発生させた衝撃波を集束させ、ゴムクッションの中の水を通して腎臓や尿管の結石に照射し、破砕するという治療法。結石は砂状にまで砕かれるため、尿の流れとともに自然に排出される。
この治療法のメリットは、かつてのような開腹手術ではないため、麻酔も身体を傷つける必要もなく、患者さんの負担が少ないこと。1回の治療時間も30分程度で、小さな腎・尿管結石であれば通院で治療が可能。健康保険も適用されている。ESWLはすでに全世界に普及している治療法で、その安全性は広く確認されている。

内視鏡や砕石プローブの細径化や周辺機器の開発改良によって、治療成績も飛躍的に向上したという。本来の尿の通過路を使用するので、こちらも患者さんにとっては低侵襲な治療法といえる。




男女比でみた場合は、2対1の割合で男性に多く、しかも20代から50代の青壮年層を中心に分布。尿路結石症は再発が多い疾患としても知られているが、同病院のデータでも約4割が再発での受診となっている。
治療はほぼ半数が手術治療を受け、残りは自然排石か経過観察。手術の内訳としてはESWLが9割、TULが残り1割という結果で、これは尿路結石症の中で上部尿路結石の患者数が多いことに起因している。
繰り返しになるが、この調査結果からあらためて理解できるのは、尿路結石症は男性、しかも働き盛りの年代に多く、再発の傾向が強いということ。男性に多いという傾向も、原因は明らかになっていないというが、再発が多いことからできる限りの予防をしておく必要がある。結石の再発予防のポイントを中田院長に紹介してもらおう。
「まずふだんから十分に水分補給をしておくことです。尿を濃くしてしまうと、結石ができやすい傾向もあるので、水分を多めに摂り、スムーズな排泄を心がけてください。大量の水分補給は大きな予防法となります。それからバランスのとれた食生活は基本です。小魚ばかり摂るなど、尿酸濃度を高めるような食事も尿酸結石を生じやすくさせるので注意してください。あとは適度な運動をすること。生活習慣病の予防と同様に日常生活に気を配ることが、結石の予防にとってもたいへん重要なことです」。
